松を庭に植えるため、松を選びに、久留米市三潴町の松の生産者のところまで造園会社の方に連れて行っていただきました。
日帰りの1人だったのですが、松のこと、外国人が95%を買っていること、松の流通の実態までとても面白いことを教えてもらって1日になりました。
自宅に庭に植える松ですが、もともと、最近、盆栽を始めたこともあって庭木の松もこだわろうと思って松を選びにいくことに…
連れて行っていただいたのが、久留米市の三潴町という松の生産者の方の松の畑です。
そこは、松が100本以上はあるだろうという、松好きにはたまらない場所でした。
が、しかし!!!
その松の半分以上は、すでに「予約の印」がつけられていたのです。その予約の印はほぼすべてが外国人の買い手とのこと。
台湾や中国、また一部はヨーロッパのオランダの人が買い付けているとのこと。
松は、いまは95%が外国に行っているらしいのです。日本人のお客さんはわずか5%にしかすぎないとのこと。
ここでも、中華圏の外国人のパワーを見せつけられました。
松を選んでいると、3人の人たちが近づいてきて、
「ニーウォンナーリーライダ?(あなたはどこから来たの?)」
と中国語で話しかけられたので
「ウォーシーリーペンレン(僕は日本人だよ)」
と答えました。
松を買い付けしている台湾の方だったのですが、同じく松を選んでいる人を日本人とは思わずに、台湾か中国の人だと思ったらしいのです。久留米まで中華圏のお客さんがたくさん来ている証左ですね。
そこの松の生産者は、これまで見たことないほど、京都のお寺の庭園でも見たことないほど、芸術的ともいえるほどの立派な松がたくさんありました。ほぼ、外国人の予約がはいってます。
予約がはいっていない松の中かから、ちょうど、うちの庭に合いそうな横流れのいい松があったので予約ができました。本来、池の近くに植えて、松の横流れの枝を池の上に這わせるといい松ですが、自宅の庭には池はありませんが、枯山水風に作っているので、その砂利をレーキで模様をつけて池に見立てて、松を植えてみようと思いおます。
紅茶の仕入れのためにインドの山奥のダージリンまで行ったときに、紅茶の仕入れ以外にも、紅茶の生産や流通や現地の人の生活習慣や仕事の習慣を知れてとても面白く、またダージリンにも芸術品ともいえる紅茶との出会いがあったのですが、今回の松の予約でも同じような経験ができて松を買えたこと以外にもたくさんの楽しい経験をさせていただきました。
●今回の日帰りの松の旅でわかった面白いこと
・いま日本の松を買っているのは95%が外国人
・その外国人は日本の旅行中に日本庭園を見てそこに魅力を感じ自分の家に松を植えたいと思って買っていること
・日本のバブル頃までは松を買っているのはほぼ日本人だけで、その後に日本庭園を造る日本人が少なくなっていると同時に30年前から外国人の松のお客さんが増え始めたこと
・松の生産者の跡継ぎの人は30年前に日本人のお客さんが減りつつあり、今後、松の家業を継ぐのにためらっていた人もいたけど外国人のお客さんが一気に増えて仕事として成り立つようになっていること
・久留米の松の生産者の方は「仕立て」といって松の幹枝の形を作る仕事をしていること。仕立ての仕事は地元の造園会社の技術とはまた別の技術になるので松を選ぶときはすでに「仕立て」が仕上がっている者から選ぶ必要があること。また、庭に植えたあとは生産者の「仕立て」した松の形を維持すること。(松の仕立てや植え付け後の形の維持の剪定が全く違う技術でそれぞれ得意な会社が行っていることが驚きでした)
・松は植えた後の手入れが必要。年に2回は芽摘みや古葉落としなどの手入れをしないと、せっかく仕立ててもらった松の形が崩れてボウボウな松になってしまいます。その年2回の手入れに造園会社の方にやっていただくと費用もかかるため、昔は、自宅に松を庭に植えていることがステータスだったらしいです。京都の庭園で綺麗な松を見ても、それはきちんとした手入れがされているからで、綺麗な松を自宅用に買ってもその後の手入れが必要なこと。
・それだけ松の手入れに費用がかかるために最近では日本人は自宅に松を植える人が少なくなっていること。
・その分、お金持ちの外国人が松を大量に買い付けしているということでした。